ロジスティクス系公開求人数が最も多い転職エージェントはdodaだった
大手転職エージェントがロジスティクス系求人数も多いとは限らない
リクルートエージェント・・・159,154
doda・・・120,997
パソナキャリア・・・39,312
マイナビエージェント・・・34,460
これは大手転職エージェントにおける公開求人数です(2022年1月27日現在)。
これを持って、
「求人数は多い方がヒットする確率が上がる。リクルートエージェントとdodaは何はともあれ絶対に抑えておけ」
と、まことしやかに言われています。
でも本当にそうなのでしょうか?
確かに一般的にはそうかもしれませんね。
でも、そんなの業界によって違うはず。。。と管理人は思ってしまいます。
増してや、物流業界は転職業界ではマイナーな存在です。
これは日本の物流業界の規模が小さくて競争力がないと言っているわけではありません。
むしろ世界ランキングの30位までに7社も日本の物流会社がランクインしているほど競争力があります。
ただ転職業界ではマイナーなのです。
IT業界やコンサルティング業界等のように、優秀な人が面白いようにステップアップしていける業界ではないため、紹介件数×紹介した人の年収で売上が決まる転職エージェントから見ると魅力が薄いのです。
そのため物流業界の求人数は全体の1~2%しかありません。
そんな業界であれば、全業界の統計なんて当てにならないはず。。。そう思うわけです。
実際、転職回数6回の管理人は転職エージェントのヘビーユーザーでしたが、一度として同じエージェントで転職が決まったケースはありません。
「表向きの求人数の多さとヒットの確率に相関はないはず」
この自論を裏付けるために、大手4社のロジスティクス系求人数を調査してみました。
勿論、転職エージェントはすべての求人を公開しているわけではなく、むしろ非公開求人の方が多いと言われていますが、公開求人を調べるだけでも傾向は掴めるはずです。
結果は意外なことに。。。
大手4社のロジスティクス系求人数の調査方法
ロジスティクス系求人の絞り込み方
各社、職種で求人が絞り込めるようになっているため、ロジスティクス関連の職種で絞り込みました。
業種でも絞り込めますが、物流業界で絞り込むと、メーカーや商社等の荷主サイドの仕事が漏れてしまうためです。
但し、これでは物流会社の営業職が漏れてしまうため、別途、(職種:営業)×(業種:物流)も追加しました。
各社の具体的な検索キーワードは下記の通りです。

この条件で絞り込んだ時の各社の検索結果数は次の通りです(2022年1月27日現在)。
リクルートエージェント・・・1,535件
doda・・・1,576件
パソナキャリア・・・747件
マイナビエージェント・・・317件
但し、この中には物流以外の業務や重複掲載もかなり含まれています。
また、このサイトを見て下さる方の多くは単純作業には興味がないと思いますので、輸送や倉庫現場の仕事であればチームリーダー以上の管理業務が含まれるポジションだけを対象としました。
検索結果から除外した具体的な求人は下記の通りです。
- 購買・調達
- 生産計画
- ERP等のシステム導入に関するコンサルティング
- 純粋に生産工程改善を目的とするコンサルティング
- トラックドライバー
- 倉庫の単純作業
- 完全に重複するポジション
- 同一会社で異なる地域での同一ポジション(例えば同じ物流会社が東京と大阪と名古屋で営業課長を募集している場合は、1としてカウント)
- 募集終了案件
サンプル調査で母集団を推定
また、すべて調査するのは大変ですので、最新求人から各社15~25%ほどをサンプルとし、ここから単純比例で母集団を推定しました。
尚、各社どのような案件があるか傾向が分かるように、下記の業務別にカウントしました。
- 物流企画
- 業務改善・標準化
- 倉庫管理
- 輸送管理・配車
- 需給調整
- 物流エンジニアリング
- 貿易
- 営業
- 物流コンサルティング
大手4社のロジスティクス系求人数の調査結果
リクルートエージェントは募集終了の求人が多い
調査結果は以下のようになりました。

まず注目したいのが、2行目の募集中求人数です。
これはサイトに載っている公開求人数から募集終了の案件数を引いた値です。
リクルートエージェントは公開求人数は検索の結果1,535件ヒットしましたが、その中の40%以上が募集終了だったために、募集中の案件は854件しかありませんでした。
その他のエージェントは募集中の案件しか表示されないようになっていました。
そのため、この段階でロジスティクス系公開案件数はdodaが1,576件とダントツ一位になりました。
ロジスティクス系求人数が一番多いのはdoda
次に、この中で購買業務や単純作業等を除いた純粋なロジスティクス系案件数はどうなるでしょうか?
それが下から3行目の合計④です。
リクルートエージェントが112件と一番多いですね。
しかし、これは調査したサンプル数が多いためです。
サンプル数は上から3行目に記載してあります。
リクルートエージェントは最新案件から順に240件をサンプルとして調査しましたので、
112÷240=47%
が有効率になります。(下から2行目)
そして、これに募集中の公開求人案件数854を掛けたものが、推定有効求人数399になります。(一番下の行)
この結果、ロジスティクス系の推定公開求人案件数はdodaがトップで、パソナキャリア、リクルートエージェント、マイナビエージェントが続くという意外な結果になりました。
パソナキャリアは公開求人数ではリクルートエージェントの1/4しかありませんが、ロジスティクス系の求人数に限ると同等だということです。
⇒ リクルートエージェントがトップ。
⇒ dodaが僅かに逆転。
⇒ dodaが大きく差を広げ、リクルートエージェントは3位に。
登録はこちらから⇩
エージェントにより募集職種の傾向が異なる
その他に気づいたことは次の通りです。
- リクルートエージェントとdodaは、倉庫管理や輸送管理の案件の比率が高い
- パソナキャリアとマイナビエージェントは、物流企画や業務改善・標準化の案件の比率が高い
- パソナキャリアとマイナビエージェントは、案件数は少ないが有効率が高い。(少数精鋭)
いかがでしたでしょうか?
ロジスティクス業界は転職業界ではニッチな分野なので、最大手が一番多くの案件を持っているとは限りません。
地方によっては小売業界最大手のイオンより、地元に昔から根付いているスーパーの方が買いたい商品が多くあるのと似ています。
また案件の質も考慮する必要があります。
これは各人がどのようなポジションを狙っているかにもよりますので、どのエージェントが質の良い案件を多く持っているのかは一概には言えません。
尚、
- 各求人案件を業務別に分類する作業は、主観に若干左右されるケースがあること(人により分類が異なる場合がある)
- 連続して表示される重複案件は排除しているが、離れて表示される場合には排除できていないケースがあるかもしれないこと
- 非公開求人については公開求人と傾向が異なるケースがあるかもしれないこと
等が考えられますので、あくまでご参考まで。
まとめ
- ロジスティクス系公開求人数ナンバー1はdoda
すべての転職エージェントを調べたわけではないが、大手4社以外でdodaを上回るエージェントはないと思われる
登録はこちらから⇩
- 大手の転職エージェントが多くのロジスティクス系求人を持っているとは限らない
例えば、パソナキャリアは公開求人数ではリクルートエージェントの1/4しかないが、ロジスティクス系の求人数に限れば同等
- 転職エージェントにより、求人の業務内容に一定の傾向がある
例えば、リクルートエージェントとdodaは倉庫管理や輸送管理の案件の比率が高い一方、パソナキャリアとマイナビエージェントは物流企画や業務改善・標準化の案件の比率が高い
数理的に考えると、転職の成約率はエージェントの
案件の数×案件の質
に比例すると考えられます。
しかし、管理人が過去、同じエージェントで転職が成約したことがないという事実は、この式で解明できない何かがあることを示唆しています。
それは何でしょうか?