【東南アジアあるある】運送編

2021年6月12日

東南アジアに住んでいると、驚くことがしばしば起こります。

それは物流の現場でも同じです。

そのような東南アジアあるあるを紹介します。

今回は運送編です。

 

バスは食品物流の大動脈

都市間、都市-地方間、地方-地方間では、旅行者だけでなく、市民の足としてもバスが大活躍です。

走行時間は数時間から丸一日走る便まで、様々です。

私も近くのビーチへ行くためによく利用します。

でもいつも直行便のはずなのに、なぜか途中で何度か止まります。

よく見ていると、乗ってきたり降りたりするのは人ではなく、貨物です。

貨物の送り人や受取人はバスが来るのを待ち構えていて、バスが止まるや否や素早く貨物の荷役を行います。

終わったら素早く料金を受け取って、次へ向かいます。

 

このような荷役による臨時停車が、少ない時でも数回、多いと10回以上行われることもあります。

乗客は皆、普通にしていますが、たまに未舗装の農村に入って行くこともあります。

そんな時にエアコンが壊れていたりすると、窓から砂埃が入ってきて、いつもはニコニコしている白人も顔をしかめたりします。

 

このようにバスは中長距離の小ロット貨物輸送によく使われます。

日本のように宅配便が発達していない国では仕方ないところです。

また宅配便があっても、貨物の扱いが保証されていないため、破損のリスクがあります。

その点、バスだと乗客並みの扱いで、しかも保冷までされているため、特に食品の扱いが多くなります。

また、毎日定時輸送ですので、これに勝る輸送手段はなかなか出てこないでしょう。

貨物輸送業のライセンスが曖昧な国ならではのことです。

 

ドライバーたちのオアシス

輸入貨物はほとんどがコンテナに入った船便で運ばれてきます。

アジアの都市では昼間は交通渋滞を少しでも緩和するために、大型トラックの通行規制が日常的に行われます。

そうするとコンテナ貨物の荷役は夜間になってしまいますが、そんな時間だと荷役してくれる人手が集まりません。

また、それを監督する人も嫌がります。

 

そのため、港を夜出発して、明け方までにコンテナを都市部に運び込み、昼間に荷役をした後、そのまま夜まで空コンテナを置いておき、夜に空コンテナを返送するということがよく行われます。

ところが、明け方にコンテナが届いていないということが、しばしば起こります。

 

理由を聞くと、大抵はタイヤのパンクエンジントラブルです。

しかし、一度や二度はそれでごまかせても、何度も起こすとさすがに疑われます。

案の定、よく調べてみるといつも別の理由で遅れていることが分かりました。

 

港から都市部への道中には、トラックドライバーを対象にした歓楽街があるのです。

港で輸入通関は夕方に終わりますので、それから直に都市部に向かうと早く着きすぎてしまいます。

時間を持て余しているドライバーが多いのです。

それを見込んだ歓楽街のビジネスが起こるのは自然な流れです。

 

しかし、我々元請け業者には監督責任がありますので、ドライバーを管理できない下請け業者は変えるしかありません。

しかし、そのような業者を使い続ける物流業者もいます。

気を付けたいところです。

 

修理業者には気を付けろ

異国の地でトラック車両やドライバーを管理するのは大変なことです。

そのため先述したように下請け業者に任せることが多くなります。

しかし、自社で運営した方がサービスレベルを維持し易いですし、コスト的にもメリットがある場合があります。

 

そのような場合に、最も頭を悩ますのが車両のメンテナンスです。

トラックを使い続けていると、厳しい気候やあまり整備されていない道路状況もあり、いろいろな所にガタが来ます。

逐一自分でチェックするのは不可能ですので、ある程度は管理者を信頼するしかありません。

 

管理者は信頼できたとしても、ちょっと信頼しきれないのが修理業者です。

某国ではトラックはほとんとが中古、新車であっても100%輸入です。

このような国では修理業者の腕前は俊逸です。

なにせ、他の国でお払い箱になった車両を、その後何年にも渡って延命させるのですから、その延命技術は大したものです。

しかもそれをニセモノ部品で行うのですから。

このような修理屋に修理を頼む時は、細心の注意が必要です。

下手すると、純正部品がニセモノと取り換えられてしまうからです。

修理屋から見れば、純正部品はお宝です。

故障箇所を見ている時に、隣にお宝があれば見逃す手はないでしょう。

故障していなくても、黙って無償交換してくれます。

 

この国では街中にレクサスが沢山走っていますが、中身は別物と言われています。

延命処置が施されるたびに、別の車に変わっていくのです。