【物流×理系】理系にこそお薦めの物流業界、その理由をまとめてみた。
物流こそ理系の仕事
管理人は理系出身ですので、ここでは理系の皆さんにとっての物流業界の魅力を紹介します。
理系の皆さん、あなたが理系に進んだ理由は何でしょうか?
昔から機械いじりが好きだったから
数学が得意だから
就職に有利だから
黙々と研究したいから
消去法で、、、
等々あると思いますが、理系を専攻してきた人は結果として数字で語る力が身についているものです。
少なくとも数字に苦手意識を持っていて、数字を見ると頭が痛くなるという人は少ないと思います。
実は物流には数学的にアプローチできる問題が沢山あります。
またゴリゴリに機械いじりやモノ作りが好きだという人にも仕事はあります。
何も狭い物流業界でモノ作りしなくてもと思うかもしれません。
でもネット通販隆盛の今、物流は成長産業です。
またコロナにも強い、エッセンシャル産業であることも証明されました。
今後も国内で物流産業が空洞化することもありません。
更にメーカーには優秀な技術者や研究者が沢山いますが、物流業界にはライバルが少なくブルーオーシャンです。
理系の人には本当にお薦めの業界なのです。
物流業界には数学で解決できる問題がゴロゴロある
物流業界には数学で解決できる問題がゴロゴロ転がっています。
しかも業種によって、会社によって、商品群によって、時期によって何一つ同じ物流はありません。
従って、解法は様々で、一つの定石を覚えておけば解けるような単純なものではありません。
その都度、数理モデルを考えて解くしかありません。
もちろん、いつも最適解が得られるわけではありませんが、多くの場合は皆が納得できる解が得られます。
にもかからわず、というかそれ故に、勘と経験で曖昧に対処しているケースがほとんどです。
欧米企業には日本企業と比べると、物流に数学的にアプローチする土壌があるようです。
管理人がこの業界に入った20年前にはほとんど見かけませんでしたが、最近は物流エンジニアリング(ロジスティクスエンジニアリング)に力を入れている日本企業も増えてきました。
ITの進歩でデータを沢山取れるようになってきましたので、今後は物流でも数学スキルがより求められてくるようになるでしょう。
物流業界は労働集約型から資本集約型に変わりつつある
長く物流業界は労働集約的産業の典型でしたが、数年前の宅配便料金の値上げから風向きが変わってきました。
人手には限りがあり、給料を上げても人手が十分に確保できない世の中になってしまったのです。
その結果、自動化やロボットやAIによる設備武装が今後どんどん進むことが見込まれ、既にその動きは始まっています。
これまでメーカーは競争優位を確保するために毎年設備をして、そのための設備エンジニアが必要でした。
メーカー向けの設備ベンダーも、そのための開発エンジニアや保守エンジニアが必要でした。
今後は、これらの仕事が物流業界にシフトしてくることが見込まれます。
ダイフクや豊田自動織機などの物流系設備ベンダーの市場が拡大していくことが見込まれます。
また物流会社側も、資本集約的なDCが増えるとメーカーの工場のように設備エンジニアを常駐させることも増えてきます。
つまり、数学的に問題を解決するソフト的なエンジニアだけでなく、ハード的なエンジニアも物流業界で活躍できる時代がもう来ています。
物流業界では会社をまたいで活用できるスキルが多い
管理人はメーカーの設備エンジニアでしたが、業務範囲は自社または子会社の工場ですので得られる技術や経験は限られました。
その範囲では深いスキルが得られますが、他社でも通用かと言われると微妙です。
万が一会社を放り出されると、再就職先は非常に限られてしまいます。
その点、物流業界では幸か不幸か会社による差別化ポイントが少なく、業界横断的なスキルの割合が非常に高いと感じます。
転職先の選択肢はかなりあります。
また業界横断的なスキルも多いです。
例えば物流業界の第一目的はずばりコスト削減ですが、そのための手段は沢山あります。
輸配送モードの最適化、DC内作業の作業改善、在庫の適正化、在庫拠点の最適配置化、需給調整のIT化、共同物流化などいろいろあります。
これに通関や関税など国際物流特有の因子が入ったりするとコスト削減の手段の組み合わせは無数にあるのです。
これらすべてに精通した業界人というのはそれほど多くなく、通常はチームを組んで対応しますが、逆に言うと対応できる分野が広いほど稀有な人材になれます。
各分野、それほど難しくはありませんので対応できる分野を増やすことはそれほど難しいことではありません。
また業界横断的なスキルですので、獲得したスキルが次の職場で役に立たないこともあまりありません。
管理人自身物流業界で6社目ですが、会社が変わるごとに対応可能分野が増えると同時に、アウトプットできるスキルも増えてきたことを感じます。
物流業界では勤務地が都会、海外も
メーカーは工場や研究所が地方にあることが多いため、地方勤務が長くなりがちです。
物流業界も物流センター勤務なら地方もありえますが、物流センターは大消費地の近くに置くのが最適な場合が多いため、都会から通える範囲になることが多くなります。
また物流センターは物流の一要素でしかなく、本社や支店で都会勤務になるケースがほとんどです。
また国際物流に力を入れている会社では、海外勤務も当たり前のようにありますので、管理人のような海外志向の方にもお薦めです。
ちなみに管理人は物流業界では海外6か国目で、すべてその国の首都圏勤務です。
物流業界は成長産業で空洞化とも無縁
物流業界は長年不遇の時を送ってきました。
特に30年ほど前のトラック業界の規制緩和からは、トラック運賃の下落も年々進み、長時間労働の低賃金でブラック業界とさえ言われるようになっていました。
ところが2017年のヤマト運輸による料金値上げを契機に、他の物流会社もモノを言える雰囲気になってきました。
荷主企業側でも、今後益々酷くなるであろうトラック不足や人手不足を前提とした計画を立てるようになってきました。
同時にECの隆盛により、立地の良い倉庫の奪い合いになってきており、人手不足にも拍車がかかっています。
また、物流業界は長年自動化には向かないと思われてきました。
しかし上記のような背景に技術の進歩が重なり、今では中堅以上のほとんどの物流会社でDXやイノベーションの名のもとに自動化に真面目に取り組み始めています。
この流れが後戻りすることは考えにくく、理系の方が活躍できる場はどんどん増えていくはずです。
また、メーカーは生産コストの低い国へ工場を移設したり、開発途上国の技術の追い上げによる国内空洞化が常に起こりえます。
ところが、物流業界の仕事は国内に消費者がいる限り、空洞化は絶対に起こりません。
仮に国内の工場がなくなって、すべて海外の工場からの輸入になったとしても、国際輸送して国内でディストリビューションする仕事は残ります。
既に触れたように、物流業界は会社が変わってもスキルを継承できます。
世の中の動向に合わせて成長している分野のスキルを少しずつ習得していけば、常にエッセンシャル業界に居続けることができるのです。
これから理系の人にどんどん物流業界に入ってきて欲しいと思います。