「順列」と「組み合わせ」の具体例と計算方法をわかりやすく解説
皆さん、順列と組み合わせは高校生の頃大嫌いだったと思いますが、管理人も同じです。
でも、確率分布やベイズ推定の理解に必要なので、ここで理解しておきましょう。
順列の具体例と計算方法
会社Aには10人のスタッフがいます。
年末のパーティでクジ引き大会があり、1位から3位までの人は商品を貰えます。
勿論、順位が上がるほど豪華な賞品を貰えます。
箱の中に社員番号が書いてある10枚の紙があり、司会者が3位、2位、1位の順に引いていきます。
1位から3位の顔ぶれは、何通りのバリエーションがあるでしょうか?
これは次のように考えます。
まず、3位になる可能性のあるスタッフは何人いるでしょうか?
最初は箱に10枚の紙が入っていますので、10人ですね。
次に2位になる可能性のあるスタッフは何人でしょうか?
箱の中には9枚しかありませんので、9人ですね。
同様に、1位になる可能性のあるスタッフは8人ですね。
従って、1位から3位の顔ぶれのバリエーションは
10×9×8=720通りあります。
これを、10人から3人を選ぶ順列の数は720通りあると言います。
それではn人から3人を選ぶ順列は何通りになるでしょうか?
同じように計算すると、
n×(n-1)×(n-2)ですね。
それではn人からk人を選ぶ順列は何通りでしょうか?
3人を選ぶ時には1ずつ減らしながら3回掛けましたので、k人を選ぶ時はk回掛ければ良いですね。
n×(n-1)×(n-2)×…×(n-k+1)
というように書けます。
これを簡単に表すために、便利な記号があります。
「!」という記号です。
このビックリマークの意味は次の通りです。
n!=n×(n-1)×(n-2)×・・・3×2×1
この記号(階乗と読みます)を使うと、n人からk人を選ぶ順列は次のように書けます。
n×(n-1)×(n-2)×…×(n-k+1)
=n! / (n-k)!
これがn人からk人を選ぶ順列の数を求める公式です。
組み合わせの具体例と計算方法
会社Bにも10人のスタッフがいます。
取引先からハワイ旅行券を3枚もらいました。
年末のパーティでクジ引きで3人にプレゼントすることにしました。
箱の中に社員番号が書いてある10枚の紙があり、司会者が3枚選んで当選者を決めます。
3人の顔ぶれは、何通りのバリエーションがあるでしょうか?
先ほどと違うのは、1位から3位までの区別がないことです。
そこで3人を順番に並べた場合に、何通りのパターンがあるかを考えます。
先頭になる可能性があるのは3人ですね。
先頭が決まれば、2番目にくる可能性のある人は2人、3番目は自動的に残り1人です。
従って、3×2×1=6通りのパターンがあります。
(先ほどの階乗を使って書くと、3!=6通りとなります)
ということは、1位から3位までを区別しなければ、この6通りが1つにまとまりますね。
1位から3位まで区別して720通りありましたので、区別しなければ6で割って、
720÷6=120通りということになります。
つまり、3人を選ぶ場合は順列を3!で割れば、組み合わせの数になります。
ということは、k人を選ぶ組み合わせの数は、順列の数をk!で割ればよいですね。
ですので、組み合わせの数の公式は、
n! / (n-k)!k! になります。
順列と組み合わせの表記方法
順列のことを英語でPermutationと言います。
これの頭文字を取って、n個からk個を選ぶ順列の数のことを
nPk
のように表します。
従って、順列の公式は
nPk=n! / (n-k)!
と書きます。
同様に、組み合わせのことを英語でCombinationと言います。
これの頭文字を取って、n個からk個を選ぶ組み合わせの数のことを
nCk
のように表します。
従って、組み合わせの公式は
nCk=n! / (n-k)!k!
と書きます。
順列や組み合わせの数は以上で計算できますが、それらの数は時に膨大になります。
すべてを書き出すのは手作業では大変です。
これをエクセルVBAを使ってやる方法を下記の記事で紹介しています。