【同じ送料でも送れる量はこんなに違う!】宅配便をお得に利用する方法
3辺合計が同じでも大きく異なる容積
飛行機に乗る時に預けられるスーツケースの大きさは、航空会社により多少異なりますがエコノミークラスでは縦・横・高さの3辺合計が158cm以内です。
また宅配便でも縦・横・高さの合計が60cm以内の場合は60サイズの料金、120cm以内の場合には120サイズの料金というように、縦・横・高さの3辺合計で運送料金が決まります。
このように3辺合計で〇〇サイズと呼び、それによって運賃が決まるという慣習は、運送業界では一般的です。
この○○サイズ方式は消費者にとってわかりやすく、運送業者にとってもオペレーションが簡単になるという長所がありますが、同じ○○サイズでも形状によって容積に大きな違いが出てくるため、運送業者には注意が必要です。
一方、消費者の立場では、この理屈を理解することによって得することができます。
どれくらい得することができるのでしょうか?
Excelで簡単に計算してみる
158サイズを例にとって、形状の違いにより容積がどれくらい異なるのかを見てみましょう。
縦=10cm、横=10cmだと高さは138cmになるので容積は
10×10×138=13,800
になりますね。
ここで縦=10cmは固定して横を10cmずつ減らして、高さを10cmずつ増やして容積がどう変わるかを見てみましょう。
この中では縦=10cm、横=70cm、高さ=78cmの時の容積が54,600cm3と最も大きくなっています。
次に縦=20cmにして同じような計算をしてみましょう。
縦=20cm、横=70cm、高さ=68cmの時の容積が95,200cm3となり、先ほどの54,600cm3よりも大きくなりました。
このような計算を延々としていけば容積の最大値を求めることができそうですが、縦に長くなって見にくそうです。
もっと見やすい計算方法はないのでしょうか?
Excelでもう少し詳細に計算してみる
そこで二次元の表で計算してみることを考えます。
縦、横、高さの3つの変数があるので三次元の表で表さないといけなさそうですが、縦と横が決まれば高さは
高さ=158cm-縦-横
と自動的に決まるので、次のように二次元の表で表すことができます。
ところが、これではマイナスの値も入っています。
例えば縦=140cm、横=20cmだと高さは-2cmになるため、容積が負の数になってしまうのです。
そこで負の数は空欄にしておきましょう。
このようにきれいな表になり、縦=50cm、横=50cm、高さ=58cmの時に容積145,000cm3で最大になることがわかりました。
イメージを掴むために三次元グラフでも表してみましょう。
同じ158サイズでも、形状によって詰められる容量が10倍以上!も違ってくるのです。
最も得する形状は?
ではこれが容積の最大値であると言い切っても大丈夫でしょうか?
前の表では各辺の長さを10cm刻みでしか計算していないので、この間に最大値があるかもしれませんね。
実は勘の良い人なら既にお気づきのように、三辺の長さが等しい時、つまり立方体の形状である時が最も容積が大きくなります。
158サイズの場合は
158/3×158/3×158/3=146,086
が最も大きな容積となります。
でもこんなサイコロみたいな形をしたスーツケースなんて売ってませんね。
でもなるべくずんぐりむっくり型で立方体に近い形を選んだ方が、より多くのものが詰められるということはわかります。
宅配便で送る場合には、もっとわかりやすいですね。
自分で立方体の箱を組み立てて、その中に貨物を詰めれば一番お得な送料で送れるわけです。
でも沢山詰め込めるからといって、詰め込み過ぎて重量制限に引っかかってしまっては意味がありません。
容積重量と実重量との関係については、こちらの記事を参照してみて下さい。
トラック/航空/海上貨物で容積重量の計算方法が違うのはなぜ?