モンテカルロ法で需要が正規分布になることを示すやり方をExcelで実演

2022年2月27日

安全在庫は、

需要の標準偏差×安全係数

で計算できます。

>> 【標準偏差何個分?】たったこれだけ!安全在庫の計算式をやさしく解説

 

しかし、この式は需要が正規分布に従うことを前提にしています。

疑い深い人は、

そんなのは机上の空論で、現実にはきれいな正規分布になんかならんよ

と言います。

そんな人のために、中心極限定理を使って正規分布になることを

【安全在庫】「需要は正規分布に従う」は本当?|中心極限定理を使って解説

で解説しました。

しかし、中心極限定理は名前がいかつく、それだけで耳を塞がれてしまう可能性があります。

 

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需要が正規分布になることを簡単に示せるモンテカルロ法

そこでモンテカルロ法を使って、もっと簡単に分かってもらえる方法を紹介します。

名前が名前だけに、これならギャンブル好きのおじさんにも聞いてもらえるでしょう。

 

やり方は簡単で、Excelで乱数をいくつも発生させて、それをある取引先の毎日の需要とします。

これを2回行うと、取引先2社分の需要データができます。

そして、それらを足した需要分布をヒストグラムにすれば、2社分を合計した需要分布がどうなっているかが分かります。

それを3社分、4社分というように増やして合計の需要分布を見ていきます。

たったこれだけでも立派なモンテカルロシミュレーションです。

 

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複数の取引先の需要をまとめれば正規分布になる

あるメーカーに5社の取引先があるとします。

ある商品の各取引先への1日当たりの販売数は、0個から100個の間で完全にランダムであるとします。

現実的には50個売れる日が一番多くて、0個とか100個売れる日は少ないというような需要パターンが多いと思いますが、より厳しい条件を設定しました。

 

この場合、各取引先の販売数のヒストグラムを描くと次のようになります。

 

0個から100個まで満遍なく売れるという一様分布です。

下記のようにエクセルのRANDBETWEEN関数で0から100までの一様乱数乱数を10,000個作って、ヒストグラムにしただけです。

 

どこからどう見ても正規分布ではありませんね

ところが、これを2社分まとめて同じようにヒストグラムにすると、次のようになります。

 

なんと、これだけで正規分布みたいになりました!

下記のように2つの一様乱数の合計(D列)をヒストグラムにしただけです。

 

更に5社分をまとめてみると、次のようになります。

 

もう完全に正規分布ですね

たった5社しか取引先がなくても、こうなのです。

普通はもっと沢山の取引先があるでしょうから、推して知るべしでしょう。

取引各社の需要が完全にランダム(一様分布)の厳しい条件でも、複数の取引先をまとめれば正規分布になります。

この会社は、そのまとめた需要で安全在庫を設定するはずですから、需要は正規分布に従うという前提で問題ないでしょう。

 

取引先が1社しかなくても正規分布になる

いや、うちは大口得意先1社だけで食っとるのじゃ

という会社の場合はどうでしょうか。

その大口取引先は、そのまた取引先が複数あるでしょう。

であれば同じことです。

その大口得意先からの需要は正規分布になるはずです。

 

ロングテールでも期間を長くすれば正規分布になる

うちは1日に1、2個しか売れないようなロングテールの商品が多くて、そんな商品は正規分布なんかにならん!」

という会社の場合はどうでしょうか?

確かにそのような需要パターンだと正規分布にはなりません。

このような分布になるでしょう。

 

これは1日平均1個売れる場合のポアソン分布です。

ポアソン分布に従う乱数の作り方については、こちらをご覧下さい。

【サンプルファイル付き】ポアソン分布の乱数をエクセルで生成する2通りの方法

取引先全部の需要を足しても1日平均1個しか売れないのであれば仕方ありません。

このように正規分布にはなりません。

しかし、そんな商品は毎日在庫を補充する必要もないでしょう。

5日ごとに在庫補充するとしましょう。

5日間の需要をまとめると次のようになります。

 

ほぼ正規分布になりました。

このグラフは下記のように10,000個のポアソン分布乱数を5セット作り、それを合計した数字の羅列(G列)をヒストグラムにしたものです。

 

ポアソン分布は、1日の平均需要をλとすると、

f(x) = λx e–λ / x!

で表すことができます。

【ポアソン分布の使い方】在庫管理への適用方法を具体例で解説します。

 

1日平均1個しか売れないということはλ=1ですが、これを5日分まとめるとλ=5になります。

λが大きくなるとポアソン分布は正規分布に近づくのですが、λ=5以上ではほぼ正規分布になります。

だから、この例では5日分の需要をまとめると正規分布のようになるのです。

 

このように、1日単位ではほとんど売れなくても、販売数が5個以上になるように期間をまとめれば正規分布とみなすことができます。

在庫を補充するための発注間隔が長くなりますので、それだけ在庫は増えることになりますが、そもそもの在庫数が少ないので問題ないでしょう。

 

人為的な操作が入る場合には補正が必要

得意先が特売をすると、その期間だけ販売数が跳ね上がって正規分布にはならんよ

という場合はどうでしょう。

これはどうにもなりません。

安全在庫理論では需要はランダムに確率的に変動することを前提としていますので、特売のような人為的な変動は予測できません。

これは営業マンに情報を取ってもらうしかないでしょう。

 

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