【海外送金の仕組み】コルレス銀行やSWIFTや決済銀行についてわかりやすく解説

2022年3月24日

貿易における決済方法は信用状(L/C)によるもの、信用状なしの書類取引(D/AやD/P)によるもの、電信送金によるものの3つに大きく分けられます。

中でも最も簡単なのは電信送金です。

通称T/T(Telegraphic Transferと呼ばれます。

所謂、海外送金ですね。

でも、

  • 先方は送金したと言ったのに、なかなか着金しない
  • 1,000ドル送られてくるはずなのに900ドルしか着金確認できない
  • 取引先が「おたくの取引先銀行は✕✕銀行とコルレス契約があるか?」としつこく聞いてくるが何のことだかわからない

等、よくわからない点もあるのではないでしょうか?

そのもやもやを解消しましょう。

 

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国内送金における中央銀行と全銀ネット

まずは比較のために、国内送金の仕組みを見ておきます。

送金とは言いますが、もちろん本当にお金を送っているわけではありません。

日本の金融機関は中央銀行である日本銀行に当座預金口座を持っていますので、その間で振り替えることによって疑似的に銀行間の送金を行っています。

また、日銀を含めた銀行は全銀ネット(全国銀行資金決済ネットワーク)でつながっており、EDIで指示ができるようになっています。

 

海外送金におけるコルレス銀行とSWIFT

コルレス銀行とは?

このように国内送金であれば日銀がハブとなって銀行間の決済ができますが、海外送金ではハブの役割りを果たせる中央銀行がありません。

そこで、決済通貨ごとに民間銀行がハブの役割りを果たしています。

例えば米ドルであれば、世界中の銀行がニューヨークのシティバンクJPモルガン等に米ドルの口座を持っています。

このようにしておけば、日本のA銀行からタイのB銀行に米ドルで海外送金したい場合、シティバンクにあるA銀行の口座からB銀行の口座に振り替えれば、あとは国内送金と同じように処理できます。

この時、シティバンクのことをコルレス銀行(Correspondent Bank)と言います。

つまりコルレス銀行は、海外送金における中央銀行のような決済ハブとしての役割りを果たしていると言うことができます。

 

SWIFTとは?

ちなみに図の中にあるSWIFTSociety for Worldwide Interbank Financial Telecommunication(国際銀行間金融通信協会)の略称ですが、一般にはSWIFTが提供している銀行間のEDIサービスのことを指しています。

日本専用の全銀ネットに代わるシステムです。

よく銀行に海外送金をお願いする時に聞かれるSWIFTコードとは、SWIFTシステム内で各銀行に割り当てられた銀行コードのことです。

 

ノンデポコルレス銀行とデポコルレス銀行

このようにシティバンクを介して海外送金を行う場合、日本のA銀行とタイのB銀行はコルレス契約を結んでいますが、お互いの銀行にはコルレス口座を持っていません。(コルレス口座はシティバンクにある)

このようなコルレス先のことをノンデポコルレス銀行と言います。

つまり、A銀行にとってB銀行はノンデポコルレス銀行です。

一方、A銀行にとってシティバンクにはコルレス口座がありますので、デポコルレス銀行と言います。

2つの銀行がお互いにデポコルレス銀行であれば、次のように海外送金はもっと簡単になります。

A銀行からB銀行に日本円で送金する場合

 

A銀行からB銀行にバーツで送金する場合

 

このように互いに口座を持ち合っていれば簡単に海外送金サービスを提供できますが、すべての銀行に口座を持つことは効率的でないため、デポコルレス先は限られます。

そのため、海外送金でコルレス契約という場合は、ほとんどがノンデポコルレス契約になります。

 

決済通貨が関係する決済銀行

またノンデポコルレス契約がよく使われる理由として、米ドルによる決済が多いこともあります。

米国以外との貿易でも米ドル決済は非常に多いですね。

この場合、送金銀行にも受取銀行にも米ドルはないため、両者が米国にあるコルレス銀行であるシティバンクやJPモルガン等に持っている米ドル口座で振り替えを行うことにより決済します。

この時のシティバンクやJPモルガンを決済銀行と呼びます。

このように米ドル決済では、必然的にシティバンクやJPモルガンを決済銀行とするノンデポコルレス契約での海外送金になります。

 

よくあるトラブル

「海外から送金してもらうと、いつも予定額より少なくなっている。送金手数料だろうとは思うが、取引先により引かれる金額が違っている」

ということはよく起こります。

同じ会社の海外現地法人間で送金する場合は、送金手数料は「常に受取国側の負担」または「常に送金側の負担」と決めておけば公平感が保たれますが、異なる法人間で定常的に海外送金をする場合には、予めどちらの負担にするか決めておいた方が良いでしょう。

 

海外送金でかかる手数料には次のようなものがあります。

  • 送金手数料

送金銀行に支払う手数料。2,000~5,000円

  • 中継銀行手数料(コルレス銀行手数料)

コルレス銀行に支払う手数料。1銀行あたり1,000~3,000円

  • 受取手数料

受取銀行に支払う手数料。0~2,450円

  • 為替手数料

両替する際に支払う手数料。1ドルあたり1円、1ユーロあたり1.5円等、通貨により異なる

  • リフティングチャージ

同一通貨で送金する際に支払う手数料。送金額の0.05%か2,500円の大きい方

電信送金とは?方法・手数料・かかる日数を解説!|Wise より加筆、抜粋)

 

これだけの手数料の種類があります。

複数のコルレス銀行を中継するのは普通によくあることですが、中継銀行手数料は経由するコルレス銀行ごとにかかってきます。

またこれらの手数料は銀行によって異なります。

取引先により引かれる送金手数料が異なるのはこのためです。

 

逆に自分が送金側の場合、これらの手数料を受取人負担で送金すると、うるさい取引先からは「少ないじゃないか!」とクレームが来ます。

T/T送金手数料の負担は契約書に入れるほどのことでもありませんが、メール等の書面で残しておくのが良いでしょう。

 

また、なかなか着金しないというトラブルも稀に起こります。

SWIFTでオンライン処理されるのだから間違いは起こらないだろうと思ってしまいますが、海外送金は複数の異なる銀行で行うバケツリレーのようなものです。

SWIFTコードが間違っていた等の理由で、誰かが調査するまで中継銀行で放置されるケースはよくあることです。

これは「着金確認後に船積み書類を引き渡す」というような取り決めを契約書でしている場合は、大きな問題になることがあるので注意が必要です。

銀行に送金状況をトレースするようにお願いしても中継銀行の処理状況までは追えないことが多いのですが。。。

 

このように「高くて遅い」銀行海外送金に代わって、SWIFTを介しない仕組みで海外送金を行う資金移動業者が次々と現われていて、日本でも2020年12月時点で80に上る事業者があるようです。

資金移動業者とは 100万円超、送金可能に|日本経済新聞

 

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