ドライブインラックの保管効率をモンテカルロシミュレーションで確認してみる

パレットラックはセレクティブラックドライブインラックに大きく分けられます。

セレクティブラック・・・スペース効率×、保管効率○

ドライブインラック・・・スペース効率○、保管効率×

のようにトレードオフの関係にあります。

 

前回の記事では、下記のような出庫特性においては、ドライブインラックだと平均約13%の空スペースができてしまうことをシミュレーションで確認しました。

>> 【ドライブインラック】実際の保管効率を数値シミュレーションしてみる

 

しかし、これはたった1つの入出庫パターンでのシミュレーション結果にすぎません。

日々の入出庫数は確率的に変動しますので、それにつれて保管効率も変動するかもしれません。

これをモンテカルロシミュレーションで確認してみます。

これにより、結果のロバスト性を確認でき、設計値の信頼性を証明することができます。

 

モンテカルロシミュレーションの方法

まず入出庫数の疑似乱数をエクセルで生成します。

出庫数の生データを見てみましょう。

実際は各商品アイテムごとに60日間分のデータがありますが、下図では後半のデータだけを表示しています。

 

計算してみると商品アイテム4007の出庫数の平均は981標準偏差は614です。

日々の出庫数は正規分布に従うと仮定して、疑似出庫数を次式のエクセル関数で生成します。

=NORM.INV(RAND(),981,614)

>> エクセルを使って正規分布の【疑似乱数】を生成する方法を具体例で実演!

 

他の商品アイテムについても同様に疑似出庫数を生成できます。

また入庫数についても同様に疑似入庫数を生成できます。

一つのシートにまとめると次のようになります。

 

確率は低いものの負の乱数が生成されることがありますので、その場合はゼロに調整しています。

ここで生成した入出庫乱数を逐次シミュレーションシートにコピペして、赤で囲んだ保管効率の平均を結果シートにコピペします。

 

これを1アイテムにつき1,000回繰り返します。

人手では大変なのでエクセルマクロ(VBA)の力を借ります。

結果シートには1アイテムにつき1,000個の保管効率の平均値が書き込まれることになります。

 

シミュレーション結果

今回のシミュレーションの目的は、入出庫数が振れたら保管効率がどのくらい変わるのかを調べることでした。

そこで、シミュレーションでは乱数の生成方法を変えて次のように4通りのパターンで行います。

 

シュミュレーションの結果は次のようになりました。

 

これから次のことが分かります。

  1. 平均が同じであれば、入出庫数のばらつき(標準偏差)が2倍になっても保管効率はほとんど変わらない
  2. 平均が50%大きくなれば(入出庫数が全体的に増えれば)保管効率は高くなる

 

つまり、現実の世界で入出庫数が結構振れたとしても保管効率に与える影響は限定的ということです。

但しミクロで見ると、下記のようにシュミュレーションごとの保管効率のばらつき(標準誤差)が大きくなるアイテムがあることには注意が必要です。

これは入出庫ロットが小さなアイテムほど顕著になります。

 

とはいえ、ドライブインラックを導入した時に予測される保管効率は、入出庫数が想定から結構ずれたとしても、かなりロバストであることが確認できました。