幾何分布の計算式と使い方を具体例を使ってわかりやすく解説します。
幾何分布を使える具体例
物流センターの出勤記録によると、契約社員のAさんは5日に1回の割合で遅刻します。
Aさんが6日連続で遅刻しない確率は何%でしょうか?
二項分布の計算式とグラフ
結果が2つに1つしかない場合に、その試行をn回行って成功する回数の確率分布が二項分布でした。
二項分布の公式の意味とExcelでグラフを描く2通りの方法を実演
例えばコインを5回投げて全部裏が出る確率は、
5C0×0.50×(1-0.5)(5-0) = 0.03
1回だけ表が出る確率は、
5C1×0.51×(1-0.5)(5-1) = 0.16
同様に2~5回表が出る確率は、
5C2×0.52×(1-0.5)(5-2) = 0.31
5C3×0.53×(1-0.5)(5-3) = 0.31
5C4×0.54×(1-0.5)(5-4) = 0.16
5C5×0.55×(1-0.5)(5-5) = 0.03
となり、グラフにするとこうなります。
このような確率分布を二項分布と言いました。
幾何分布とは?計算式の導出
幾何分布も、2つに1つの試行を対象にしているのは同じです。
違うのは、初めて表が出る(成功する)回数の確率分布だということです。
コイン投げで1回目で表が出る確率は0.5ですね。
ですので、1回目で初めて表が出る確率は0.5です。
では2回目で初めて表が出る確率はいくつでしょうか?
1回目は裏で、2回目で表が出ないといけないので、
(裏が出る確率)×(表が出る確率)=0.5×0.5=0.25
です。
同様に3回目で初めて表が出るには、1回目と2回目は裏が出ないといけないので、
(裏が出る確率)×(裏が出る確率)×(表が出る確率)=0.5×0.5×0.5=0.125
です。
これを一般化してみましょう。
成功する確率をpとします。
コイン投げの場合、表を成功とすれば、成功する確率は0.5です。
すると失敗する確率は1-pです。
k回目で初めて成功するということは、その前のk-1回はすべて失敗ですので、その確率は
p(1-p)(k-1)
です。
これが幾何分布の式になります。
Excelで幾何分布のグラフを描く
幾何分布の関数はエクセルでは用意されていませんが、下記のように簡単に計算できます。
これをグラフにすると次のようになります。
幾何分布で6日連続無遅刻の確率を計算する
これを利用して冒頭の例を考えてみましょう。
Aさんは5日に1回の割合で遅刻しますので、確率20%です。
先ほどと同様にエクセルで計算すると次のようになります。
6日連続で遅刻しないということは、初めて遅刻するのが早くて7日目ということです。
上の表で赤で囲んだ所より下では、6日以上は遅刻しないということですから、6日連続で遅刻しない確率は21%(100%-79%)ということになります。
意外と高いと思いませんか?
ちなみに14日連続で遅刻しない確率も4%あります。
5回に1回遅刻するような人でも、半月くらいなら意外と皆勤賞になる可能性もあるのです。