タイヤの摩耗を【区間推定】する方法を具体例でわかりやすく解説します。

2021年8月8日

サンプルデータから母集団の平均値を知ろうとすることを推定と言います。

推定には点推定区間推定の2種類があります。

 

自社トラックに付いている1,000本のタイヤについて、1か月間のタイヤの擦り減り度合の平均を知りたいとします。

そのためには、ある特定の日に1,000本全部のタイヤの溝深さを測り、ちょうど1か月後にも再度同じすることをする必要があります。

しかし、毎日運航しているトラックでそれを行うのは困難です。

 

このような時に、例えば20本について測定し、1,000本の平均を推定したいと思いませんか?

思いますね。

この場合、1,000本が母集団、20本がサンプルになります。

 

そして、20本の平均をそのまま1,000本の平均と推定することを、点推定といいます。

でも、たった20本の平均が全体を代表すると考えるのは、少し乱暴です。

 

そこで、「○○の確率で平均値はXからYの間に入る」という風に推定してもらえると有り難いですね。

このような推定を区間推定と言います。

 

今回は、この区間推定のやり方を紹介します。

 

20本のタイヤについて、7月31日と8月31日に溝深さを測定したところ、次のようになりました。

 

サンプル20本のタイヤの1か月の摩耗の平均値は1.08mmです。

母集団1,000本の摩耗の平均は1.08mm±○○mmになっていると考えられますので、この○○をこれから計算します。

また信頼区間は95%とします。

つまり、95%の確率で平均は1.08mm±○○mmになるという○○を求めるのです。

 

さて、今回はサンプルサイズが小さいので、サンプルの平均はt分布に従います。

もっと詳しく言うと、平均μ、分散s2/n(標準偏差s/√n)のt分布で近似されます。

ということは、サンプルの平均は下記のグラフにおいて、赤線の枠内にあるということになります。

 

この図の中の○○は、t分布表から次のようにして求まります。

 

サンプルサイズは20ですので自由度は19です。

また95%の信頼区間ということは、両側5%を切る部分ですので、有意確率は0.05になります。

両者の交点を見ると2.09ですので、○○は2.09になります。

 

これを式で書くと次のようになります。

μ- 2.09 s / √n ≦ 1.08 ≦ μ+ 2.09 s / √n

 

s = 0.27、n = 20なので

μ- 2.09 x 0.27 / √20 ≦ 1.08 ≦ μ+ 2.09 x 0.27 / √20

 

μが真ん中に来るように変形すると、

1.08 – 2.09 x 0.27 / √20 ≦ μ ≦ 1.08 + 2.09 x 0.27 / √20

となります。

 

よって、母集団の平均μの95%信頼区間は次のようになります。

0.95 ≦ μ ≦ 1.21

 

これが1,000本のタイヤの摩耗度合いの推定値です。

 

区間推定はベイズ推定でやっても同じ結果が得られます。

>> 【ベイズ統計学 vs 古典統計学】区間推定で同じ結果になるか比較してみた【ベイズ統計学 vs 古典統計学】区間推定で同じ結果になるか比較してみた

 

区間推定について更に学習したい人はこちらもどうぞ。

>> 【具体例でわかりやすく解説!】区間推定は何に使えるの?|燃費推定で実演します。