【具体例でわかりやすく!】対数は何に使えるの?|パレートの法則への応用事例で実演

2021年8月12日

消費財メーカーA社は200品目を製造しています。

上位20%の品目で全体の80%の売上を占めるというパレートの法則が知られていますが、A社の場合は上位17.5%の品目で全体の80%を占めています。

ある月の品目別売上数をグラフにすると、次のようになります。

 

このように下位50%ほどの品目については、違いがほとんど分かりません。

もっと分かりやすいグラフを作ることはできないでしょうか?

また、上位品目の売上から下位品目の売上を予測するような回帰式を作ることはできないでしょうか?

 

対数とは

このような場合には売上数の対数を計算すると見やすくなります。

>> 【物流数学の基礎】累乗根と対数の使い方

 

対数とは

103=1000

の式における3のことですが、これを求めるためにlogという関数を使います。

log101000=3

小さく書いてある10はと呼ばれ、10の3乗における10のことです。

 

logはエクセル関数で簡単に計算することができます。

=LOG(数値、底)

 

この関数を使うと、次のように200品目すべての対数を計算することができます。

 

そして、このlog(売上数)をグラフにすると次のようになります。

 

最初のグラフと比較すると、下位品目でも売上の傾向がはっきりと見えるようになりましたね。

 

対数グラフの性質

このようにパレートの法則が当てはまりすぎて、上位と下位の差が大きすぎる場合には、対数を取ると傾向が見やすくなります。

なぜそうなるのかは、次のy=log(x)のグラフを見ればわかります。

下の図で元の数の差はいずれも2ですが、対応する対数の差は3にもなります。

しかも、元の数が大きい方が、対数にすると差がより縮小されます。

元の数が小さいと、対数にしても差があまり縮小されません。

このことから対数を取ると、大きな値の差は小さく、小さな値の差は大きくなり、グラフで傾向がよりはっきり分かるようになるのです。

 

回帰式を求める

売上数の対数を取ったグラフは、一次関数(直線)で近似できそうです。

これを回帰式を求めると言います。

 

一次関数は傾きy切片が分かれば、一意に決まりますね。

傾きとy切片は次式で求められます。

傾き=相関係数×(yの標準偏差/xの標準偏差)

y切片=yの平均-(xの平均×傾き)

>> 相関|回帰|分散|共分散|標準偏差の関係をまとめて直観的に理解する

 

すべてエクセル関数にありますので、次のように求められます。

 

従って回帰式は

Y=-0.01264x+3.6113

となります。

グラフにすると下図のように、直線でほぼ正確に近似できました。