【具体例でわかりやすく!】べき乗分布は何に使えるの?|会社ランキングへの応用を実演

2021年8月12日

世の中の多くの現象は正規分布に従うと言われていますが、べき乗分布に従う分布もあります。

例えば、世の中で売られている商品は、皆一様に売れているのではなくて、上位のほんの20%ほどの商品で販売量全体の80%以上を占めると言われています。

また所得の分布についてもそうで、米国では上位10%の金持ちが全体所得の50%以上を占めていると言われます。

これをパレートの法則と言います。

パレートの法則に従う現象は、べき乗分布に従います。

 

会社の売上ランキングも所得の分布と同じように、パレートの法則に従いそうです。

【2021年最新版】物流会社の売上高トップ63社をランキング!|7つの財務指標で徹底比較

の売上ランキングデータで、これを確かめてみましょう。

 

普通にグラフを描いてみる

ランキングをそのままグラフにすると、次のようになります。

 

乗数関数的に減少していくグラフです。

よく見ると日本通運ヤマト運輸SGホールディングスが1兆円越えで抜け出ていて、その次に6千億円クラスの会社が6社、その次はなだらかに減っていくようなグラフです。

 

対数でグラフを描いてみる

次に、対数の使い方【パレートの法則から学ぶ】で紹介したように、y軸(売上)だけ対数を取ったグラフにしてみます。

対数は10を底とする常用対数とします。

 

ほぼ直線的に減少していくグラフになりました。

ランキングが直線で表せるなんて不思議ですね。

 

それでは、これの回帰直線を引いてみましょう。

回帰直線の引き方については、下記の記事で解説しています。

>> 相関|回帰|分散|共分散|標準偏差の関係をまとめて直観的に理解する

 

ほぼ直線で近似できました。

 

なぜ対数を取ると直線で近似できるのか?

世の中の多くの現象は複雑系です。

複雑系とは、色々な要因が複雑に絡み合って、式では結果を簡単に予測することが難しい現象のことを言います。

このような現象は確率的に予想するしかありません。

 

売上が上位の会社というのは、昔、何か有利な条件を与えられていたとか、誰も考えつかなかったような良いアイデアを持っていたとか、とてつもないバイタリティーを持ったカリスマがいたとか、勝つ確率が高いサイコロを持ってたのでしょう。

そして他の会社が気づかない間、もしくは気づいていても実行力がない間に、何度もそのイカサマサイコロを振って高い確率で勝ち続けます。

一度勝つと売上が増えます。

そして、次のゲームは増えた売上からスタートします。

そのため、競合がいない間にこのゲームを繰り返せば、乗数的に売上が増えることになります。

 

競合がイカサマサイコロに気づいて真似をしても、売上が小さいところからスタートしますので追いつくことはできません。

追いつくには何か斬新なアイデアか、良い競争条件を見つけるしかありません。

 

もうひとつ重要なことは、一度に大勝はできないことです。

その時点での会社のリソースの範囲内でしか、売上は増えません。

いきなり5倍も増やせないのです。

1.1倍とか1.2倍というように、小さいながらも乗数的に増えますので、その時点での売上の大きい会社ほど絶対額では多く増えます。

 

このように一度勝ったら勝ったところから次のゲームをスタートでき、勝てば乗数的に増えるため、上位の会社はどんどん売上が増えるのです。

 

日本のように競争環境が比較的自由な国では、他社がイカサマサイコロを持っていたら、それを真似しようとする会社が現れます。

どれくらい現れるかも確率的ですので、長い期間で見ると均されていきます。

そのため、ランキングが隣同士の会社の売上の比率は同じくらいになります。

比率が同じということは、対数にすると差が等しいということです。

試しに隣同士の対数の差を調べてみると、下図のように0~0.045の間にほとんどの差が含まれます。

 

差が同じということは、グラフにすると直線になります。

これが売上の対数を取ると、直線のグラフになる理由です。

 

対数を取ると正規分布になる

べき乗分布の横軸データを対数にすると、正規分布にもなります。

売上データをそのまま横軸に取った場合のヒストグラム

売上データの対数を横軸に取った場合のヒストグラム

 

この性質を利用して、べき乗分布するデータを偏差値で評価できるようになります。

詳しくはこちらを参照下さい。

>> 【就職人気企業ランキング】偏差値を使って自分に適した会社を見つける方法を実演