平均成長率を求める幾何平均の使い方を具体例を使ってわかりやすく解説
平均の取り方には何種類かありますが、物流で良く使う平均は次の3種類です。
今回は幾何平均の使い方について解説します。
平均成長率を求めるには幾何平均
前回の記事では累乗根を使って年率を逆算する方法を解説しました。
毎年同じ成長率で10年後に売上が2倍になるには年率何%で成長すべきか?
というような問いに役立つのが累乗根でした。
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これに対して、毎年違う年率で成長する場合に、その平均値を求めるのに役立つのが幾何平均です。
例えば下の表を見て下さい。
毎年の成長率は異なっています。
この場合、2年目から6年目までの成長率の平均は何%と言えるのでしょうか?
算術平均では平均成長率を求められない
算術平均で計算するとこうなります。
(114%+188%+133%+180%+117%)/5=146%
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何となく合っているように見えますが、念のため検算してみましょう。
毎年146%で成長すると、6年目の物量は次のように累乗で計算できます。
700×1.465=4,644
4,200と違いますね。
このような場合は、算術平均では正確に平均が計算できないということです。
幾何平均の計算方法
ではどのように計算するか?
ここで幾何平均の出番です。
幾何平均は次のように計算します。
または
つまり全部掛けた後に、その累乗根を求めるのです。
エクセルで
=(114*188*133*180*117)^(1/5)
のように入力すれば143と計算されます。
つまり平均143%成長ということです。
検算してみましょう。
700×1.435=4,200
となり、6年目の数値と一致します。
別解:累乗根を使って平均成長率を求める方法
このように毎年の成長率を掛け合わせて累乗根を取る方法で平均を計算する他に、わざわざ毎年の成長率を使わなくてもいい方法もあります。
前回の記事【物流数学の基礎】累乗根と対数の意味と使い方をわかりやすく説明します。で触れたように、1年目と6年目の物量の倍率から直接計算することもできます。
この例では
4,200÷700=6
ですので倍率は6です。
6倍になるのに5年かかっていますので、6の5乗根を求めれば平均年率が求まるのです。
61/5=1.43
となり、この方法でも同じ結果になります。