アルプス物流に応募する前に知っておきたい会社の強みと弱みを徹底解説!

2021年8月10日

アルプス物流は大手電子部品メーカー、アルプスアルパイングループの物流会社です。

1995年に東証二部に上場し、2021年には一部指定に変更になっています。

物流会社売上ランキング2021年版 36位)

 

2004年には大手電子部品メーカーTDKの物流子会社であるTDK物流と合併し、電子部品物流分野におけるマーケットシェアを高めました。

この頃からアルプス物流の外販比率は高く既に7割に達していて、1990年代半ばからはアジアにも進出していました。

 

一方のTDK物流はTDK向けの仕事がほとんどで、海外拠点もありませんでした。

当時は中国への生産シフトが急速に進んで国内の電子部品マーケットが縮小していたので、国内拠点の統廃合や海外進出の必要性が叫ばれていた時代です。

TDKとしてはアルプス物流の物流ネットワークに乗っかる形で物流の課題が克服でき、アルプス物流としてはベースカーゴの拡大による効率化が図れるWin-Winの合弁だったと思われます。

合併当時に500億円だった売上高は今では1,000億円に、またアルプスアルパイン向けの売上が全体の10%、TDK向けが5%トップ2を占めていますので、良い合併だったのでしょう。

 

アルプス物流の事業セグメントは電子部品物流商品販売消費物流の3つに分けられます。

 

2021年3月決算説明会資料より抜粋

 

やはり祖業である電子部品物流で過半を占めています。

電子部品物流は納品先のセットメーカーが集約されているため、共同輸送に馴染みやすいといえます。

アルプス物流とTDK物流が合併した時には、輸送先の9割が合致したといわれています。

また電子部品は繊細で静電気に弱いため、倉庫には防塵の帯電防止床が求められます。

アジアではこれに準拠している倉庫が限られますので、輸送であまりメリットを出せなかったとしても、物流センター業務とのセットで受託できる可能性は高くなります。

強い競争力を持った電子部品物流事業と言えるでしょう。

 

商品販売は、電子部品に関連した包装資材や電子デバイスの販売を行っています。

電子部品は振動に弱いものが多いので、それに強い包装資材の提案販売を行っているのでしょう。

電子デバイスについては、物流だけでなく商流も組み合わせた商社のようなサービスを手掛けているものと思われます。

 

消費物流だけは電子部品とは関係ありませんが、1996年にグループ化した(株)流通サービスを通じて行っている生協や日用雑貨品のEC会社向けの物流サービスです。

これは自社施設で行っている物流センター業務だけでなく、東京や大阪周辺では自社便による宅配サービスも行っているようです。

 

今後の成長を占うカギになるのは、電子部品物流事業における海外事業でしょう。

2021年3月度では電子部品物流事業における海外比率は40%になっています。

 

2021年3月決算説明会資料より抜粋

 

この割合は5年前から変わっていませんので、今後どのように伸ばしていくかがカギでしょう。

海外売上の中では中国50%アセアン25%北米25%くらいの比率になっています。

やはり中国が稼ぎ頭です。

2000年前後に電子メーカーがこぞって中国に進出したため、その頃からアルプス電気の物流ネットワークも拡充されてきました。

その頃、中国では深圳を中心とする華南エリアに部品メーカーが多く集積していて、上海を中心とする華東エリアや天津を中心とする華北エリアにセットメーカーが集積していました。

そのためこの3つのエリアを結ぶ定期トラック便がまず整備されました。

その後、内陸部や寧波、廈門などの東沿岸部もカバーするようになり、中国でのトラック便ネットワークはかなり発達しています。

 

しかし、チャイナプラスワンの動きにより今後は大きな伸びが見込めなくなっていますので、アルプス物流では次の有望市場をアセアンと捉えています。

実際、2016年には中国華南エリアベトナム北部を結ぶトラック輸送サービスも開始しています。

中国で成功したトラック便ネットワークをアセアンで築けるかが、まずはカギになりますが、これは中々ハードルが高いと思われます。

 

アルプス物流の自社拠点があるタイ-マレーシア-シンガポールを結ぶトラック輸送ルートは、活発な荷動きがあり、国境通関も効率化されているためリードタイムも短く旺盛な需要があります。

これに倣ってベトナムカンボジアラオスミャンマータイを結ぶトラック輸送網も、2015年に発効したASEAN経済共同体によって大きな需要増が見込まれていましたが、今のところ期待外れに終わっています。

その原因については

>> 東南アジアでクロスボーダートラックが流行らない理由|荷主目線で解説

を参照していただくとして、カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナムのいわゆるCLMV諸国がどれだけ製造業を育てられるかにかかっています。

この中からベトナムは抜け出てきましたが、他の3か国については未知数です。

そのためか、アルプス物流はベトナムに加えてフィリピンインドネシアを次の有望市場としていますが、中国で成功したような面の物流ネットワークをどのように築いていけるかがカギになると思われます。