【エクスペダイターズ】応募する前に知っておきたい会社の歴史と収益性と事業内容

2022年3月11日

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レイオフをしない会社

Expeditors(エクスペダイターズ)は1979年創業の米国の大手フォワーダーで、リーマンショック時にもレイオフをせず、従業員を大切にする会社として有名です。

2020年の売上高は10,116百万USDで、3PLグローバル売上ランキングでは9位です。

【2021年版】3PLグローバル売上高ランキング 30社|事業セグメント別に独自調査

 

エクスペダイターズの歴史

ノンアセットで創業から5年でナスダックに上場

Expeditorsは1979年に海上フォワーディングの会社としてシアトルで創業しました。

そして1981年に実質的な創業メンバーが加わり、極東からの航空フォワーディング輸入に力を入れます。

具体的には通関も含めたドアツードア輸送ワンストップで請け負うという今では普通のビジネスモデルですが、当時はこれが斬新だったようです。

そして香港、台北、シンガポールにも拠点を開いて急速に事業を拡大させ、1984年には早くもナスダックに上場します。

上場初年度から売上高純利益率4%と好調な滑り出しだったようです。

Expeditorsは現在もノンアセット戦略を基本方針としていますが、身軽故のこの成長速度といえます。

 

M&Aはせずオーガニックグロース中心

上場翌年の1985年にはNVOCC大手だったPac Bridgeを買収して海上フォワーディングを強化します。

驚くことに、Expeditorsが競合を買収したのはこれだけです。(システム会社等の買収は除く)

売上のほとんどはオーガニックグロースということです。

現在60を超える国に177の拠点がありますが、そのほとんどは顧客からの要請で現地法人を作ったか、現地のエージェント会社との合弁会社です。

日本の大手フォワーダーのやり方に実によく似ています。

リストラをしない点も含め、米国では珍しく日本的な会社と言えるのではないでしょうか。

 

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エクスペダイターズの収益性

草食系なのに高い利益率9%

でも、弱肉強食の米国の物流業界で、日本的な草食系の会社でも生き残っていけるのでしょうか?

直近5年間の業績を見てみましょう。

売上高とEBITを調べたら、次のようになりました。

 

2020年度はコロナ特需で除外するとしても、4年間で34%も売上高を伸ばしています。

 

輸送物量は減っても、旅客機の運休や港湾の混雑、コンテナの偏在等による供給能力不足による運賃の急騰により、売上高ベースでは大幅増になっているフォワーダーが多い。但し、仕入れ値も上がっているので(正直な会社では)利益はそれほど増えないはず。

 

EBITマージンも年々下がってはいるものの、9%以上という高い利益率を維持しています。

これは宅配便という寡占市場で高い利益率を叩き出しているUPSと同等の利益水準です。

つまり、草食系の会社でありながら利益率も高いのです。

何がExpeditorsを特殊な会社にしているのでしょうか?

 

競合との比較が困難なセグメント分け

それを探るために、セグメント別の売上高を見てみます。

Expeditorsでは航空フォワーディング海上フォワーディング通関その他の3つのセグメントに分けています。

この分け方は特殊です。

他の大手フォワーダーでは、通関の売上高をフォワーディングに含めるのが普通だからです。

そして、他の大手フォワーダーが別セグメントとしているContract Logistics(倉庫/DC運営)は通関その他に含めています。

この分け方からExpeditorsでは通関に力を入れている一方、Contract Logisticsはおまけ程度にしか考えていないことが分かります。

また、このような分け方にすることでフォワーディングの売上高を明確に知ることができません。

Annual Report 2020| Investor Relations Expeditors より抜粋)

 

これは2020年度の売上高の内訳ですが、全社売上の10,116百万USDに航空フォワーディングや海上フォワーディングの比率47%や23%を掛けた値は通関の売上を含んでいないため、他の大手フォワーダーとの比較ができないのです。

以上のことから管理人はExpeditorsの経営姿勢を次のように想像します。

  • 昨今のようにEPAやFTAが乱立している国際貿易では、有利な特恵関税を漏れなく使うための専門知識が必要になってきており、そのためのコンサルティング提供は大きな付加価値になる。また国際貿易に組み込まれる新興国が増えるにつれて、特殊ケースに柔軟に対応できる税関対応も大きな付加価値になってきている。Expeditorsはこれらを含む通関サービスの提供で、単なる運賃の叩き合いを回避している。
  • 倉庫運営は例え借庫で対応するとしても固定費割合が高く、Expeditorsのノンアセット戦略と相性が悪い。また競争が激しく自社のノウハウも少ない。餅は餅屋に任せ、最小限の対応に留め、フォワーディングに特化する。
  • フォワーディングは規模の経済が大きく働くビジネスなので当然規模は追及するが、数量ターゲットは定めない。それよりも既存顧客の満足度を高めて、長期的な物量増加を目指す。

 

エクスペダイターズは正直で顧客との信頼を大切にする会社

少し美化しすぎかもしれませんが、このように考える理由は他にもあります。

下の図は過去5年間のセグメント別の売上高推移をグラフにしたものです。

 

2020年度は特殊なので除外すると、一定の傾向が見えます。

航空フォワーディングや海上フォワーディングの売上高は4年間ほとんど伸びていないのに、通関は結構伸びていることです。

試しにセグメント別の成長年率を計算してみると、次のようになりました。

 

成長年率の求め方はこちらを参照下さい。

平均成長率を求める幾何平均の使い方を具体例を使ってわかりやすく解説

 

通関1件当たりの単価は4年間ほとんど変わっていないと考えられるため、通関売上が年率16%で増えたということは件数が年率16%で増えたと考えられます。

件数が増えれば航空/海上フォワーディングの物量も同じくらい増えているはずですが、売上高はほとんど増えていません。

これは需給の緩みによる競争激化で運賃相場が下がっていたためと考えられます。

 

そこに2020年、コロナ特需が来ました。

最初の頃はただ物量が減るだけでフォワーダーにとっても減益要因にしかなりませんでしたが、コロナ制限が緩和されてくるに従い航空/海上輸送は大幅な供給不足に陥りました。

2019年まで苦汁を飲まされ続けていたフォワーダー各社は、ここぞとばかりに仕入れ値の高騰を理由に大幅値上げをします。

中には便乗値上げもあります。

その証拠に、DHLK+N等の大手フォワーダーは2020年度にEBITマージンを軒並み伸ばしています。

しかし、Expeditorsは先にも示したようにEBITマージンを逆に1ポイント減らしています。

これは実に珍しいことで、こんなところにExpeditorsの誠実な経営姿勢が表れているといえるのではないでしょうか。

 

日本では1999年からエクスペダイターズ・ジャパン

1999年設立の現地法人エクスペダイターズ・ジャパン株式会社があります。

本国と同様の事業を行っており、約180名の社員がいるようです。

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