住友倉庫に応募する前に知っておきたい会社の強みと弱みを徹底分析!

2021年7月30日

物流会社売上ランキング2021年版 18位)

住友倉庫は大手財閥系倉庫会社の一角で、1899年に創業した老舗物流会社です。

2006年に株式公開買付により上場会社である遠州トラックの株式60%を取得し、連結子会社としています。

2021年3月期の住友倉庫の売上が1,920億円で、遠州トラックのそれが395億円ですので、約20%を占めます。

遠州トラックはアマゾンの業務を請け負うなど近年業績が絶好調で、孝行息子のようになっています。

 

その他、他の倉庫会社にない特徴として、海運会社を傘下に保有しています。

Westwood Shipping社で、4隻の自社船と3隻の傭船で海運事業を展開しています。

こちらは2016年ごろから世界的な海上運賃下落の影響を受けて、慢性的な赤字になっています。

 

祖業である不動産事業は商業施設や住宅の賃貸業が中心で、売上は2021年3月期で108億円と全体の5%ほどですが営業利益率は50%を越え、全体の営業利益の50%を稼いでいます。

不動産事業の営業利益率が5割を超えているのは、三井倉庫ホールディングスと同じです。

 

2021年3月期のセグメント別の売上高と営業利益は次のようになっています。

 

 

物流事業は更に倉庫港湾運送国際輸送陸上輸送の4つに分類されています。

それぞれの直近4年間の成長率を計算してみると次のようになります。

2018年 2019年 2020年 2021年 成長率
倉庫 24,091 25,923 26,321 26,925 103%
港湾運送 35,903 38,454 37,911 35,717 100%
国際輸送 38,033 40,082 41,384 42,229 103%
陸上輸送 42,085 46,834 51,198 55,384 107%

(成長率の算出方法についてはこちら >> 【物流数学の基礎】幾何平均の使い方を具体例を使ってわかりやすく解説します。

 

これを見ると、陸上輸送部門が最も伸びていることが分かります。

この伸びを牽引しているのは2006年に子会社化した遠州トラックです。

 

遠州トラックの直近5年間の売上高と経常利益の推移を改めて見てみましょう。

 

共に遠州トラック財務ハイライトから抜粋

 

成長率を計算すると、売上高では年率11%経常利益では同24%にも上ります。

なぜ、こんなに伸びているのでしょうか?

 

やはり2018年からアマゾンのデリバリープロバイダ9社の一角を占めるようになった影響が大きいでしょう。

2017年にヤマト運輸が値上げと総量規制を行ったことから、アマゾンはエリアごとにラストワンマイルデリバリー網を独自に構築しました。

その流れの中で、静岡を本拠地とする遠州トラックは静岡から首都圏の一部のラストワンマイルデリバリーを担うようになりました。

また自社トラック400台、傭車も含めると一日当たり800台のトラックを運航している遠州トラックは、アマゾンの物流拠点間の幹線輸送も担うようになっています。

元々、定時輸送ではなく、スポット輸送に強みがある遠州トラックにとっては、アマゾンの要求にも応えやすかったのでしょう。

この幹線輸送とラストワンマイルデリバリーの2本立ての収益源により、全社の売上高に占めるアマゾン業務の割合は2019年に14%2020年に25%2021年には34%にまで高まっています。

今後どこまでアマゾン関連の売上が伸びるのかは分かりませんが、アマゾン以外でもEC物流が今後も伸びるのは確実ですので、成長は続くでしょう。

 

逆にいうと、遠州トラック以外の成長戦略が見えてこないのが、今後の住友倉庫の課題といえます。

他の財閥系倉庫会社2社のように不動産事業は利益率が高くても、今後の更なる伸びは期待できません。

またここ数年赤字が続いている海運子会社Westwood Shippingの立て直しも必要になってくるでしょう。

将来に向けた成長戦略をどのように描いていくのか注目です。