丸和運輸機関に応募する前に知っておきたい会社の強みと弱みを徹底分析!

丸和運輸機関は1970年に現和佐見社長が創業し、2014年に東証二部上場、2015年には東証一部指定になっています。

桃太郎便」のブランド名で展開している輸配送サービスで知られています。

同社の経営戦略は非常に明快で、小売業向け3PLに特化しています。

これは、現社長が創業前に青果店を営んでいたことに由来するようです。

物流会社売上ランキング2021年版 32位)

 

医薬・医療物流

1973年には早くもイトーヨーカ堂との取引を開始したようですが、飛躍のきっかけは1995年にマツモトキヨシの物流センター事業を請け負ったことでしょう。

現在もこの取引は続いていて大口顧客ですが、マツモトキヨシの物流企画機能も担う4PLの役割りを果たし続けています。

マツモトキヨシの売上高は6,000億円近くありますが、物流担当者は2しかいないそうです。

 

丸和運輸機関の事業セグメントでは、マツモトキヨシの売上は「医薬・医療物流」に含まれています。

同セグメントの売上高は203億円ですが、その2/3はマツモトキヨシで占め、残りは医薬品卸のアルフレッサ等になっています。

このセグメントの売上高は過去5年間で年率1%しか成長していませんが、会社全体では年率11%の高成長を実現しています。

一体どこが伸びているのでしょうか?

 

食品物流

伸びている分野の一つが「食品物流」です。

このセグメントには1973年から取引があるイトーヨーカ堂が含まれますが、2013年からは低温食品物流に経営資源を集中しています。

 

ここでも経営戦略は明快で、全国各地の地域No.1の食品スーパーをターゲットにしています。

売上高でいうと500~1,000億円くらいで、今まで商品を安定供給することを優先してきた結果、物流効率化の余地が多く残されているスーパーです。

同社の推定では、日本国内のスーパーの物流センター事業の市場規模は約3,400億円で、その半分のシェアを狙っているようです。

直近では同セグメントの売上が約450億円ですので、まだまだ成長の余地はあるといえます。

 

事業拡大のための戦略も明快です。

それは全国に構築した産地直送のルートを活用した仕入れコスト削減と鮮度向上の支援です。

所謂、中抜きです。

現社長が元青果店を営んでいた経験を活かしているのでしょう。

2021年3月期決算説明会資料より抜粋

 

この戦略を拡大し、2024年には埼玉県に大型の産直プラットフォーム(PF)センターを開設する予定です。

この産直PFは上図の産直ルート経由で仕入れた青果物を集約した後に各店舗向けに小分け配送するためだけでなく、卸売市場経由で仕入れる青果物も扱います。

少し前まで卸売市場経由で仕入れる商品は、原則、一旦市場に運び入れた後でないとスーパーの物流センターに納品できませんでした。

これが、2020年6月に施行された改正卸売市場法の「第三者への販売禁止の撤廃」により産地の卸売業者から直接仕入れられるようになったのです。

所謂、商物分離です。

産直PFではこのように、産直ルートで仕入れる商品と、商流は市場を経由するが産地から直送される商品の両方を扱うことにより、プラットフォームとしてのメリットを高めようとしています。

 

このような地方No.1のスーパーをメインターゲットとした食品物流は、毎年数か所の物流センターを新規に立ち上げるなど、過去5年間に年率7%の成長を実現しています。

しかし、会社全体の年率11%の成長には及びません。

その原動力は、最後のセグメントである「EC・常温物流」です。

 

EC・常温物流

このセグメントの顧客にはニトリ良品計画も含まれていますが、中心となるのは何といってもAmazonです。

2017年にヤマトと手を切って以来、エリアごとに中堅の物流業者を組織してデリバリープロバイダの名の元にラストワンマイルデリバリーを構築しているAmazonですが、9社のデリバリープロバイダのうちの筆頭格が丸和運輸機関です。

 

以前の同社はB to Bがメインでしたが、ECの拡大を受けてイトーヨーカ堂やイオンなどGMSのネットスーパーの配送を一部手掛けていました。

しかし、ヤマトや佐川の宅配便ネットワークには到底及びません。

同社はこれを逆手に取りました。

 

宅配便は集荷-幹線輸送-末端配送をパッケージにしたサービスです。

ところが、ECで必要になるラストワンマイルデリバリーは末端配送だけです。

ECが拡大してくると末端配送だけが異常に増えるため、集荷や幹線輸送とのバランスが崩れて今まで築き上げてきたネットワークの効率が悪くなります。

宅配便会社がいずれ音を上げることを同社は読んでいたのです。

 

同社グループの中でラストワンマイルデリバリーを担う中心となっているのは、クイック桃太郎便を展開しているジャパンクイックサービスです。

同社には自社ドライバーもいますが、業務委託している個人事業主のドライバーが大部分です。

丸和運輸機関は、これらの個人事業主のドライバーや中小のパートナートラック会社を支援するために、2015年に「AZ-COM丸和・支援ネットワーク(アズコムネット)」を立ち上げていました。

これは車両や燃料の共同購入によるコスト削減、支払いサイトの短縮、人材育成サポートなどを通じて個人事業主や中小企業の経営をサポートする組織です。

これにより、丸和運輸機関が今後ラストワンマイルデリバリー事業を拡大する上で不可欠なドライバーを確保、人手不足を解消しながらAmazonなどのEC会社に安定した高品質なサービスを提供するための準備を始めていたのです。

そのため2017年にAmazonがデリバリープロバイダ網を構築し始めた時に、真っ先に手を上げることができたのです。

 

そのかいあって、最近の5年間でEC・常温物流の売上高は年率23%で伸びています。

また、全体の売上に占めるAmazonの比率も2018年3月度決算で5.6%、2021年3月度には23.4%まで急増しています。

丸和運輸機関はパートナー企業をとても大切にする会社ですので、益々増加していくことが予想されるAmazonの物量をパートナーをうまく使ってさばいていけるでしょう。

 

まとめ

丸和運輸機関は2014年に上場していますが、2017年にAmazonのデリバリープロバイダになってからすぐに株価が10になっています。

所謂、テンバガーです。

物流業界では大変珍しく、今、大変勢いのある物流会社です。

2021年3月期決算説明会資料より抜粋