【41歳の年収】で比較した物流会社の年収ランキング!|IR情報から独自に推定

2021年9月17日

「給料より仕事のやりがいの方が大事」

とはいっても、転職で給料がポンとアップすれば嬉しいものです。

そこで、平均年収の公開義務がある上場企業について、物流会社の年収ランキングを作ってみました。

 

同じ年齢で比較したい

有価証券報告書には、従業員の平均年齢と平均年収が記載されています。

ここで問題になるのは、平均年齢が各社異なるため単純な比較ができないことです。

35歳の給与と45歳の給与を比べても意味がないですね。

 

【2021年最新版】物流会社トップ63社をランキング!|7つの財務指標で徹底比較

でランキングした63社のうち、平均給与が公開されていた39社のデータは次の通りです。

平均給与順に並べてあります。

(単位:千円)

順位

会社名

有価証券報告書データ

従業員数

平均年齢

勤続年数

平均給与

1 ヤマトホールディングス 389 40.7 14.6 9,156
2 日立物流 1,328 42.6 19.8 7,951
3 三井倉庫ホールディングス 157 42.3 14.1 7,902
4 三菱倉庫 996 39.7 15.7 7,870
5 近鉄エクスプレス 1,269 37.6 11.8 7,615
6 伊勢湾海運 750 41.7 17.5 7,549
7 住友倉庫 819 36.7 13.0 7,521
8 安田倉庫 430 40.3 13.3 7,331
9 SGホールディングス 220 37.6 9.4 7,048
10 澁澤倉庫 501 43.5 18.2 6,982
11 センコーグループホールディングス 128 45.9 14.8 6,922
12 セイノーホールディングス 92 44.3 19.4 6,878
13 日本トランスシティ 684 38.4 14.6 6,802
14 宇徳 400 42.0 16.8 6,734
15 名港海運 847 41.2 17.3 6,575
16 日新 1,636 39.5 13.3 6,502
17 丸全昭和運輸 1,152 41.2 16.4 6,498
18 SBSホールディングス 246 44.7 8.1 6,344
19 山九 12,453 40.1 14.0 6,052
20 ケイヒン 303 41.4 17.6 5,848
21 上組 3,779 39.2 15.3 5,793
22 ニッコンホールディングス 31 41.0 16.2 5,761
23 アルプス物流 906 40.4 14.3 5,728
24 日本通運 34,766 43.7 16.0 5,672
25 内外トランスライン 212 42.0 11.0 5,566
26 東陽倉庫 305 38.5 14.2 5,465
27 キユーソー流通システム 700 37.1 12.6 5,462
28 C&Fロジホールディングス 168 40.6 4.1 5,400
29 横浜冷凍 1,283 36.1 11.7 5,392
30 ゼロ 487 44.6 12.6 5,354
31 キムラユニティー 1,633 43.3 18.1 5,179
32 鴻池運輸 9,512 41.9 11.8 5,153
33 中央倉庫 254 40.2 13.9 5,026
34 福山通運 10,111 44.3 15.2 4,982
35 日本ロジテム 837 42.5 14.3 4,939
36 ハマキョウレックス 813 43.1 10.0 4,617
37 トランコム 756 34.8 6.6 4,589
38 丸和運輸機関 1,464 38.6 8.7 4,573
39 名鉄運輸 2,832 45.0 12.3 4,422

 

平均年齢を見ると、センコーグループホールディングスの45.9歳が最高齢、トランコムの34.8歳が最年少となっています。

さすがに10歳も離れていると、そのまま比べるのは無理がありますね。

これを同じ年齢条件にして比べたいわけです。

 

41歳の年収に調整する

そこで、すべて41歳時の給与に調整してみます。

なぜ41歳なのか?

それは39社の平均年齢の平均が41歳だからです。

30歳とか50歳に調整するよりも、調整する年齢幅は小さい方が誤差が小さくなりますよね。

調整幅は平均値に調整する時に最も小さくなるのです。

 

さて、41歳時の給与に調整するためには、1年でいくら増えるか、つまり昇給率を決めないといけません。

これについては、経団連企業会員について調査した「2016 年 1~6 月実施分 昇給・ベースアップ実施状況調査結果」から2%/年と仮定します。

 

また平均給与の中には賞与も含まれていますので、賞与も決めないといけません。

これについては、民間調査機関の一般財団法人労務行政研究所が東証第1 部上場企業205 社を対象に調査した「東証第 1 部上場企業の 2020 年年末賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」から年間4.8か月と仮定します。

 

もう一つ、平均給与の中には残業代も含まれています。

これは東洋経済新報社が全上場企業を対象に調査した「会社四季報2018年春号は雇用・採用状況を調査」から月間18時間57分を使います。

月22日勤務とすると一日当たりの残業時間は、

18×57/60÷22=0.78時間

です。

一日7.5時間勤務とすると、残業時間の比率は

0.78÷7.5=0.1

つまり、基準労働時間の10%です。

 

それではセンコーグループホールディングスを例に取り、41歳時の給与に調整してみましょう。

45.9歳6,922千円です。

これは年収ですので、まずは月間基本給与を求めます。

月間基本給与をa円とすると、次の方程式が成り立ちます。

1.1a×12+4.8a=6,922,000

これを解くと、

a=384,556

つまり、月間基本給は384,556円です。

 

次に、4.9年前の月間基本給を求めます。

45.9歳と41歳の差が4.9年だからです。

4.9年前の月間基本給をb円とすると、次の方程式が成り立ちます。

b×1.024.9=384,556

これを解くと、

b=348,994

つまり、41歳時の月間基本給は348,994円です。

 

従って、41歳時の年収は、

348,994×1.1×12+348,994×12=6,281,896円

となります。

64万円調整されました。

 

この計算を39社すべてについて行い、41歳時の年収順に並べると次のようになります。

(単位:千円)

順位

会社名

推定データ

月間基本給

41歳月間基本給

41歳推定年収
1 ヤマトホールディングス 509 512 9,211
2 住友倉庫 418 455 8,189
3 近鉄エクスプレス 423 453 8,145
4 三菱倉庫 437 449 8,075
5 日立物流 442 428 7,703
6 三井倉庫ホールディングス 439 428 7,701
7 SGホールディングス 392 419 7,539
8 伊勢湾海運 419 414 7,445
9 安田倉庫 407 413 7,433
10 日本トランスシティ 378 398 7,161
11 日新 361 372 6,698
12 澁澤倉庫 388 369 6,645
13 宇徳 374 367 6,602
14 名港海運 365 364 6,549
15 丸全昭和運輸 361 360 6,472
16 セイノーホールディングス 382 358 6,443
17 センコーグループホールディングス 385 349 6,282
18 山九 336 342 6,161
19 上組 322 334 6,003
20 横浜冷凍 300 330 5,941
21 キユーソー流通システム 303 328 5,901
22 SBSホールディングス 352 328 5,896
23 ケイヒン 325 322 5,802
24 アルプス物流 318 322 5,796
25 ニッコンホールディングス 320 320 5,761
26 東陽倉庫 304 319 5,742
27 内外トランスライン 309 303 5,457
28 C&Fロジホールディングス 300 302 5,443
29 日本通運 315 299 5,377
30 トランコム 255 288 5,188
31 中央倉庫 279 284 5,106
32 鴻池運輸 286 281 5,062
33 ゼロ 297 277 4,986
34 キムラユニティー 288 275 4,948
35 丸和運輸機関 254 266 4,796
36 日本ロジテム 274 266 4,794
37 福山通運 277 259 4,667
38 ハマキョウレックス 257 246 4,429
39 名鉄運輸 246 227 4,085

 

最初の生データの表と比べてみて下さい。

だいぶ順位が入れ替わっていますね。

 

持株会社を除外すべきか?を「t検定」する

でもよく見ると、ヤマトは従業員が389人しかいません。

本当は傘下のヤマト運輸だけでも18万人いるはずなのに。

これは、持株会社の従業員数が389人ということです。

つまり、選りすぐりのエリート達だけの給与の平均が記載されているわけです。

他の持株会社も同様です。

これでは平等な比較になりません。

持株会社8社を除くと、住友倉庫が一番高給になります。

 

でも、少し待って下さい。

本当に持株会社とそれ以外とで、平均値に差があると言えるのでしょうか?

持株会社8社とそれ以外の31社の平均年収は、次のようになります。

 

持株会社:6,651千円

それ以外:6,044千円

 

これらに有意な差があるかどうかは、ただ眺めていても分かりません。

そこで統計的に検定をしてみましょう。

この場合は標本数が少ないので、Welchのt検定になります。。

>> 【Welchのt検定】改善効果をt検定で検証する方法を具体例でわかりやすく解説します。

 

t値は次式で計算します。

x1:グループ1の平均

x2:グループ2の平均

s1:グループ1の不偏標準偏差

s2:グループ2の不偏標準偏差

n1:グループ1のサンプルサイズ

n2:グループ2のサンプルサイズ

 

持株会社8社をグループ1、それ以外の31社をグループ2とするとt値は1.25と計算できます。

 

次に自由度は次式で求められます。

今回のケースに当てはめると自由度は10になります。

 

t分布表で自由度10の有意水準5%に対応するp値を検索すると、下記のように2.2281です。

t値1.25はp値2.2281より小さいので有意差なし、つまり

持株会社とそれ以外で年収に差があるとはいえない

ということになります。

 

従って、ヤマトホールディングスが一番の高給ということになりました。

でもこれはヤマトホールディングスの平均年収が9,211千円ということでは、勿論ありません。

18万人以上もいる社員すべての平均年収は、これよりずっと低くなるでしょう。

 

また、この平均年収の計算方法は各社同じではありません。

例えば、通常は役職者のデータは除外して平均年収を計算していますが、部長以上を除外するのか、課長も除外するのかは会社によってマチマチです。

どのように除外しているのかを公開する義務もありません。

ですので、このデータはあくまでも参考程度にとどめて、数学の学習ネタとしてお使い下さい。