澁澤倉庫に応募する前に知っておきたい会社の強みと弱みを徹底解説!

澁澤倉庫は「日本資本主義の父」といわれる渋沢栄一が1897年に、渋沢家別邸の倉庫を利用して発足させた「澁澤倉庫部」が前身です。

ヨーロッパ留学から戻ってから近代倉庫業の必要性を痛感し、政府や経済界に熱心に働きかけると同時に、自らも倉庫会社を創設しました。

渋沢栄一が作った500社以上の会社の中で、自らの苗字を冠した会社は澁澤倉庫だけです。

その時代からサプライチェーンマネジメント(SCM)の重要性にまで考えが及んでいたとは思えませんが、銀行が取る担保品を保管しておく信頼性のある倉庫が少なかったという時代背景もあったようです。

今では倉庫業だけでなく国際一貫輸送までも担う総合物流企業で、直近の売上高は653億円、物流業界43です。

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三大倉庫会社である三井倉庫ホールディングス三菱倉庫住友倉庫と比べると、元々うまみのある不動産が少なかったため、澁澤倉庫は早くから倉庫収益のみに依存せず、トラック輸送など足回りを含めた総合物流ソリューションに力を入れてきました。

そのため陸上運送が収益の大半を占めています。

澁澤倉庫では物流事業と不動産事業の2つのセグメントに分けていて、両者の比率は91:9です。

そして物流事業の過半を陸上運送が占めています。

2021年3月期の売上比率は次の通りです。

 

今は不動産事業は全体の9%となっていて、これは三大倉庫会社と比べても遜色ありません。

三井倉庫ホールディングス:4%

三菱倉庫:17%

住友倉庫:5%

 

澁澤倉庫は平成に入ってから不動産を増やしたようです。

やはり不動産事業は純粋な物流事業よりも、うまみがあるのでしょう。

現に、物流事業の営業利益率が4%であるのに対して、不動産事業のそれは50%もあります。

これは澁澤倉庫に限ったことではありません。

三大倉庫会社もこのような傾向があります。

 

澁澤倉庫の物流事業の強みは、業種では日用雑貨飲料です。

有価証券報告書には最大顧客としてP&Gが記されています。

またアサヒビールキリンビールサッポロビールサントリーの関東から関西地区への共同輸送を手掛けています。

各社の工場から出荷された貨物を千葉港にトラック輸送した後、大阪の堺泉北港までRORO船で内航輸送するというモーダルシフトで環境に配慮したスキームです。

このように日用雑貨と飲料の共同配送に強みを持っています。

 

また、日用雑貨は多品種少量ですので、長年この業界を得意としてきた澁澤倉庫は、多品種少量の貨物を扱う倉庫業務に長けています。

過去の入出庫データに基づいて適正在庫を求めたり、発注ロット発注間隔を調整して欠品を減らしながら在庫削減を図る方法を提案するなど、適正在庫理論を使ったコンサルティングがし易い分野です。

 

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また、作業生産性を高めるためのレイアウト設計作業改善も、コンサルティングのやり易い分野です。

 

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このように多品種少量貨物の扱いで培ってきた専門性を深掘りしていくことを、中期計画で表明しています。

2021年3月期決算説明資料より抜粋

 

また、日用雑貨はアジアからの輸入が増える傾向にあるため、アジアからの輸入物流も多品種少量に対応するよう強化するとしています。

具体的には日本の倉庫で行う作業をできるだけアジアにシフトし、アジアで行う検品作業や通関、船便等のステータス情報SKU単位でトレースできるようなシステムを提供することが含まれると思われます。

 

また輸入港は三大都市圏にあるため、アセットへの投資も三大都市圏に選択と集中させることも中期計画で表明しています。

2021年3月期決算説明資料より抜粋

 

このように澁澤倉庫は戦略が明快でわかりやすい会社です。

コーポレートスローガンは「永続する使命。

かっこいいですね。

創業者渋沢栄一の

正しい道理で追及した利益だけが永続し、社会を豊かにできる。

という精神を体現する使命を持っています。

 

道徳と経済を両立することで企業は成長する。

それは一人当たり営業利益にも現われていて、294万円

これは物流業界第2位です。

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