大和物流に応募する前に知っておきたい会社の強みと弱み【ダイワロジテックも!】

大和物流は1959年に住宅メーカー大手である大和ハウス工業から独立した物流子会社です。

2004年にはジャスダックに上場しましたが、大和ハウス工業の資本政策により2006年に上場を廃止し、100%出資会社になっています。

2021年3月期の売上高は559億円で、物流業界45です。

営業利益率は驚異の10%超え

これは物流業界2位です。

>> 【2021年最新版】物流会社の売上高トップ63社をランキング!|7つの財務指標で徹底比較

 

何が高利益率の秘訣なのでしょうか?

それは住宅資材の共同物流です。

親会社である大和ハウスだけでなく、他のハウスメーカーの建築資材もまとめて大和物流のサテライトセンターと言われる倉庫に納入してもらい、必要な加工を施した上で建築現場にJIT(ジャストインタイム)で納入します。

住宅の建築現場は天候など様々な要因で工事日程が変わることがよくありますが、そのような工程変更に日単位だけでなく、時間単位でも対応できることに強みがあります。

 

また、住宅資材というのは長尺物などの異形物が多く、慎重な荷扱いが求められるものも多いため、普通の物流会社は敬遠します。

あからさまには断りませんが、長尺物だけをスカスカの状態で運ぶ前提での料金見積りを出すなどして、何とか請けないようにします。

ところが、大和物流はそれを断っていては親会社から見捨てられてしまいますから何でも請けます。

 

また住宅1戸を建てるためには多くの資材が少量多品種で必要になりますが、従来はそれぞれのサプライヤーがトラックを仕立てて建築現場まで運んでいました。

そうすると、トラックの数が多くなり近隣住民に迷惑をかけるだけでなく、現場で検収するのにかかる時間も相当なものです。

増してや、作業工程に合わせた時間指定納品などできません。

 

これらをすべて解決する大和物流の共同物流が断られる理由などないのです。

唯一あるとすれば、ライバル会社の物流子会社に情報が筒抜けになることに対する懸念くらいでしょう。

しかしリーマンショックに追い打ちを掛けられた住宅不況の中、そうも言ってられなくなったというのが、大和物流の共同物流が伸びた一因とも言われています。

現在の外販比率は6割以上と見られています。

 

大和物流が手掛ける3PL事業は住宅資材だけだけではありません。

流通・小売り」も3PL事業の2本柱のうちの1つと位置付けています。

実は大和ハウスグループにはロイヤルホームセンターというホームセンター事業もあり、ここの物流センターを大和物流が請け負っています。

ホームセンターとしては大手ではありませんが、東西に2か所ある物流センターを請け負っていることで運営ノウハウが得られるのでしょう。

いくら住宅資材の物流に強いと言っても、少子高齢化の影響で国内市場が先細りになるのは避けられません。

ではどこを攻めるかとなった時、ノウハウのある流通・小売り分野なのでしょう。

 

しかし、これらの分野ではセンコーという強力なライバルがいます。

センコーも住宅資材の共同物流を強みの一つとしていますが、直近の住宅分野の売上高は632億円です。

大和物流の住宅分野の売上高は400億円弱と見られ、1.5くらいの差があります。

またセンコーの流通分野の売上高は直近で2,226億円ですので、大和物流とは10倍以上の差を付けています。

大和物流の売上高はここ5~6年は横ばいが続いており、戦略の見直しが必要かもしれません。

 

一方、大和ハウスグループの物流事業を担う会社には、もう1社あります。

ダイワロジテックです。

大和ハウス工業はハウスメーカーの大手ですが、大手物流施設ディベロッパーとしての顔も持っています。

その大和ハウス工業が、自ら次世代物流をリードしていくために2017年に設立した持株会社がダイワロジテックです。

 

傘下にはそうそうたる事業会社がぶら下がっています。

 

アッカ・インターナショナル

ロボットを駆使したアパレルECのフルフィルメントを手掛けるスタートアップ

 

モノプラス

米スタートアップが開発した自律走行が可能なAI搭載の多目的ロボットtemi(テミ)の操作を簡易化できるソフトウェアBuddyBot(バディボット)を開発し、temiの国内展開を行うスタートアップ

【temi】

temi社ホームページより抜粋

 

フレームワークス

iWMSを擁する日本におけるWMS(倉庫管理システム)の老舗

 

GROUND(資本業務提携)

Amazonの物流センターで使われているような作業者の手元まで貨物を運んできてくれるタイプのロボット(Goods-to-Person)Butler(バトラー)や、作業者と協同しながらピッキング作業を行う自律型のロボット(Autonomous Mobile Robot)Peer(ピア)、果物や洋服等これまで機械でピッキングすることが難しかった工程を自動化するGripper型ロボット等の国内展開を行うスタートアップ

【Butler】

 

【Peer】

 

【Gripper型ロボット】

GROUND社ホームページより抜粋

 

Hacobu(資本業務提携)

IoT でトラックの位置情報を適時収集することで待機時間を低減し、クラウドサービスによって荷主企業と物流企業を結びトラックの積載効率を上げるなど、物流企業の輸配送の最適化を目指したサービスMOVOの開発・展開を行うスタートアップ

 

大和ハウス工業が、日本における物流の近代化を自ら推進していこうという意気込みが感じられます。

物流専業でないからこそ、日本の物流の非効率さが目に余るのかもしれません。

 

大和ハウス工業とダイワロジテックは、自ら運営する物流施設「DPL市川」内に「Intelligent Logistics Center PROTO(インテリジェント・ロジスティクス・センター・プロト)」を2018年に開設しています。

そこでは上述したような傘下企業のロボットやシステムを導入し、テナント企業が従量課金制でシェアできるサービスを開始しています。

費用対効果に不安があるテナント企業に、初期投資なしでまずはシェアリングしてもらおうという試みです。

この試みは既に他拠点にも水平展開されています。

 

10年後の日本の物流業界をリードしているのは、大和ハウス工業やAmazon等のような異業種からの参入組なのかもしれません。